GPIFの資産構成に学ぶ、理想のポートフォリオとは?
投資信託の積立など、資産を分散投資をする際に重要だと言われている「ポートフォリオ」や「アセットアロケーション」。
私の場合は、S&P500などの米国株のファンドやETFの保有量に対して、他の資産の保有割合を決めていますが、皆さんは、何を基準に決めてらっしゃいますか?
今回は、理想のポートフォリオ(資産配分)について考えてみましょう!
【目次】
- 【投資におけるポートフォリオとは?】
- 【理想のポートフォリオ、GPIFとは?】
- 【年代によって変わるポートフォリオ】
- 【GPIFのポートフォリオに近いバランスファンド】
- 【追記:ついにGPIFと同じ運用を行うファンドが登場】
- 【理想のポートフォリオとは?のまとめ】
【投資におけるポートフォリオとは?】
ポートフォリオとは、一言で言えば、保有するリスク資産(株式や債券などの有価証券)の配分や割合の事を言います。
◆ ポートフォリオとアセットアロケーションの違い
似たような言葉でアセットアロケーションという言葉もあります。アセットアロケーションの場合は、リスク資産ではない預貯金や現金なども含めた上での、総資産の配分として使われる事が多いですね。
◆ ポートフォリオを作成する意味
【 最適なポートフォリオで、資産を分散させ、リスクを軽減させる。】
例えば、日本の株式のみに投資している場合は、国内株式100%のポートフォリオとなります。
この場合は、日本国内の株式相場が何らかの原因で総崩れとなった場合は、多大な損失をこうむる事になりますね。非常にリスクの高い構成となります。
国内株式と国内債券を同じ金額すつ購入した場合は、国内株式50:国内債券50のポートフォリオとなりますね。
現在の国内債券は、利回りはほとんどありませんが、株式と比べれば価格の変動が緩やかですから、株価が下落した際も債券が下支えとなり、リスクを軽減させてくれます。
ただし国内の金融資産だけでは、日本の経済が長く低迷した場合は、長期にわたって損失抱える可能性もあります。
【海外の資産もポートフォリオに組み入れ、国際分散投資を行う】
対処法としては、国内だけでなく、海外の株式や債券もアセットアロケーションに組み入れる事で、投資する地域を分散させ、リスクの軽減と共に、やはり投資をする以上は、リターンも狙っていく必要があります。
このように、ポートフォリオを作成する事で、どの投資対象を、どの程度の配分で保有し、どの程度のリターンを求めるのか、あるいはどの程度リスクを軽減していくかを判断していきます。
さて、このポートフォリオですが、実は理想のポートフォリオと呼ばれているポートフォリオがあります。
【理想のポートフォリオ、GPIFとは?】
それは、GPIFのポートフォリオです。
GPIFというのは、「年金積立金管理運用独立行政法人」の事を言います。IWGPではありません(^_^.)
ようは、皆さんから預かっている厚生年金や国民年金の一部を株式や債券で運用している組織の事ですね。
平成29年度の末の時点での成績は、GPIFのHPによりますと、
収益率:+6.9%
収益額:+10兆810億円
運用資産額:156兆3,832億円
運用資産156兆円というのは、公的な年金基金の運用額としては世界最大となります。
◆ GPIFのポートフォリオの資産配分は?
GPIFの資産の構成は、以下のようになります。
・国内株式25%
・外国株式25%
・国内債券35%
・外国債券15%
債券と株式の割合は、見事に50%ずつ、株式の割合も国内と外国で半分ずつですね。
債券の割合は、国内債券が35%で、外国債券のほうが15%となっています。
まさに、国際分散投資の王道といった感じですね。
さて、このポートフォリオを見て皆さんは、どのように感じますか?
私が初めてGPIFのポートフォリオを見た時の感想は、やはり、国民の大事な年金を運用している訳ですから、だいぶリスクを抑えたポートフォリオだなと感じました。
ただ、平成13年から、15年以上にわたって運用してきて、それなりの成績を残してきている訳ですから、充分に参考になるポートフォリオだとは思います。
【年代によって変わるポートフォリオ】
さて一つの理想として、GPIFのポートフォリオを紹介してみましたが、別の考え方として、年代によってポートフォリオを変化させていくといった考え方もあります。
よく言われるのは、100-自分の年齢で株式の保有率を変えていく方法です。
例えば、40才であれば、100-40で、株式の保有率を60%。
60才であれば、100-60で、株式の保有率を40%にするといった形ですね。
年齢が20才違うので、株式の保有率も20%違ってきます。
20代や30代で、これから長期にわたって運用を続ける時間があれば、株式の保有率をかなり高めに設定する事で、一時的にはマイナスの収益となっても、後々世界経済が成長していけば、マイナスの運用時に買い貯めた資産が大きく成長するといった考え方です。
資産が大きく成長した後は、逆に債券の保有率を増やして安定した運用を行っていくという考え方でもあります。
【GPIFのポートフォリオに近いバランスファンド】
自分でポートフォリオを考えたり、設定するのが面倒だという方は、シンプルにバランスファンドを利用するという手もあります。
バランスファンドとは、株式や債券などの資産配分を設定した上で公募している投資信託の事を言います。
↓バランスファンドの詳細は、こちらの記事をお読み下さい。
budo-toushi.hateblo.jp
GPIFのポートフォリオに比較的近いものだと、以下のバランスファンドがあります。
(A)ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
(B)大和-ダイワ・ライフ・バランス50
(C)三井住友・DC年金バランス50
少し詳細を見てみましょう。
(A)ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
資産構成
・国内株式25%
・外国株式25%
・国内債券25%
・外国債券25%
資産構成は、綺麗に25%ずつですね。株式の比率はGPIFと同じです。信託報酬は、0.23652%です。
(B)大和-ダイワ・ライフ・バランス50
資産構成
・国内株式30%
・外国株式20%
・国内債券40%
・外国債券10%
GPIFやニッセイ(4資産均等)と比べると、国内資産を株式、債券ともに、やや高めの設定にしていますね。信託報酬は、0.216%です。
(C)三井住友・DC年金バランス50
資産構成
・国内株式35%
・外国株式15%
・国内債券35%
・外国債券10%
・短期金融資産5%
株式のほうは、更に国内株式の割合を高めています。債券のほうはGPIFの設定と似ていますね。信託報酬は 0.2484%です。
【追記:ついにGPIFと同じ運用を行うファンドが登場】
当記事では、理想のポートフォリオの一例としてGPIFの運用方法に比較的近いファンドを紹介してきたのですが、GPIFと全く同じ比率で運用を行うファンドが設定されましたので、追記として紹介したいと思います。
(D)大和-iFree 年金バランス
資産構成
・国内株式25%
・外国株式25%
・国内債券35%
・外国債券15%
資産構成は、GPIFと全く同じですね。信託報酬も、0.17172%と上記で紹介したファンドの中で最安となっています。
このファンドが設定されてしまうと、もう上記で紹介したファンドは無用となってしまいますね(^_^.)
こういう傾向は、ここ数年のインデックスファンドではよくある事です。
上記のファンドは、いずれもSBI証券や楽天証券 で購入できます。
【理想のポートフォリオとは?のまとめ】
今回は、理想のポートフォリオの一つとしてGPIFのポートフォリオを紹介し、構成比率の近いバランスファンドも紹介してみましたが、いかがでしたか?
私も投資を始めた当初は、バランスファンドを中心とした投資を行っていました。
その後、サテライト部分として、先進国株式や新興国株式のファンドを付け足していきました。
冒頭でも少し書きましたが、現在ではだいぶ米国株に偏った運用をしていますね(^_^.)
投資は最終的には、全て自己責任と言えますから、皆さんも色々と試行錯誤しながら、自分自身の理想のポートフォリオを完成して頂きたいと思います。
今後も、GPIFの動きには注目したいところです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
↓ウェルスナビは、年代に応じて、ポートフォリオを変更ができるバランスファンドです。
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