投資信託の選び方。初心者がファンドを選ぶ5つの基準とは?
前回の「投資信託とは?」では、主にインデックスファンドの各指数(ベンチマーク)について紹介し、インデックスファンドとアクティブファンドの違いについて説明しました。
今回は、投信(ファンド)の選び方について紹介したいと思います。
というのも、現在販売されている公募型の投資信託の数は、約6000本と言われています。
ネット証券の大手であるSBI証券や楽天証券では、そのうち約2600本の購入が可能です。
選択肢が多いのは良い事ですが、あまりにも多いと、かえって迷ってしまいますよね。
今回は、初心者向けの投資信託を選ぶ基準について考えていきましょう!
【目次】
【初心者が投資信託の銘柄を選ぶ基準は?】
投信を選ぶ基準はいくつもあるのですが、当ブログは初心者向けの内容ですので、絞りに絞って、まず以下の基準について考えてみましょう。
(2)コスト(信託報酬など)の安いファンドを選ぶ。
(3)長期的に見て、良好なパフォーマンスを上げている投信を選ぶ。
(5)分配金を出さないファンドを選ぶ。
では、順に考えていきましょう。
(1)どこの国の投資信託(ベンチマーク、指数)を選ぶか。
まず、どこの国のどのベンチマーク(指数)に投資するかを考えてみましょう。
前回の「投資信託とは?」で詳しく説明したように、各国の株式や債券には、大別すると、以下の投資指数があります。
【参考記事】
◆株式に投資する投資信託
アメリカなど各国ごとに投資する株価指数もあります。(例:NYダウ、S&P500指数など)
◆債券に投資する投資信託
これらの指数の中から何を選んで投資するかですね。
言い換えれば、どの程度のリスクを求めるのか、あるいは許容できるかとも言えます。
リスクというと、危険度という解釈をされる方も多いと思いますが、投資の世界では、一般的に値動きの大きさと考えます。
株式と債券では、当然株式のほうがリスクが大きいです。つまりリターンも高くなる可能性が高いし、同時に損失も大きくなる可能性があります。
また国別でリスクの大きさを表すと、以下のようになります。
日本 < 先進国 < 新興国
それぞれを単独で投資する事もできますし、いくつかの指数を組み合わせて分散して投資する事もできます。
ただ初心者の方には、いきなりポートフォリオ(資産配分)を考えて投資するのは難しいかもしれませんね。
◆バランスファンド(各資産に分散した投資信託)
その場合は、上記の株式や債券の指数を組み合わせたバランスファンドというものもあります。バランスファンドであれば、それ一本で世界中の株式や債券に分散して投資する事も可能です。
↓バランスファンドに関しては、以下の記事をお読み下さい。
(2)コスト(信託報酬など)の安いファンドを選ぶ。
基本的に、上記の各指数に連動した投資信託(インデックスファンド)に投資をした場合は、どの運営会社の投信を選んでも、ほぼ同様のパフォーマンスとなります。
例えば日本株式のTOPIXに連動したファンドであれば、どのTOPIXファンドでも、大体同じです。
ただし、年間で見ると、若干のパフォーマンスの違いも出てきます。
これが、コストの違いという事になります。
投資信託にかかるコストとしては、以下のようなものがあります。
(A)購入時手数料
(B)信託財産留保額
(C)信託報酬
こちらも順に説明していきましょう。
(A)購入時手数料
購入時手数料は、投信の購入時にかかる手数料ですね。現在のインデックスファンドは、無料(ノーロード)のものも多いです。
購入時に手数料を取られてしまうと、それだけ投資元本が減ってしまう訳ですから、できるだけ購入時に手数料のかからないもの(ノーロード)のものを選ぶようにしましょう。
(B)信託財産留保額
信託財産留保額とは、主に購入していたファンドを解約(売却)する際にかかる費用です。
私達がファンドに投資している資産を換金する際に、ファンドの中でも所有している株式や債券を売って、換金して支払われます。その際、ファンドの基準価額が下がりますので、ファンドの運営を安定させるために支払う費用です。
言ってみれば、敷金のようなものですね。
信託財産留保額も、現在のインデックスファンドでは、かからないものが多くなってきています。
(C)信託報酬
信託報酬は、投資信託を保有している期間、ずーっと継続的にかかる費用です。
内訳としては、販売会社、運営会社、信託銀行に一定の割合ごと支払われます。言ってみれば、そのファンドの運営費用の事ですね。
ここ数年、インデックスファンドの信託報酬は、どんどん下がってきています。どの業界でも同じですが、中身が同じであれば、やはり価格競争という事になるのでしょう。
特に長期投資の場合は、信託報酬の違いが後々大きくなりますから、できるだけ信託報酬の安いものを選ぶべきでしょう。
(3)長期的にみて良好なパフォーマンスを上げている投信を選ぶ。
短期的には、どのファンドも上がったり下がったりはあると思います。
短期的にではなく、一年、三年、五年と、長期的にそのファンドのパフォーマンスを見て、上昇しているかどうかですね。
長期的に下りが続いているようであれば、投資対象からは外したほうが良いでしょう。
各ファンドのチャートを、長期的にしっかりと見てみましょう。
(4)資金の流入が続いている投資信託を選ぶ。
一時的な資金の流出は、何らかの原因であると思いますが、これが継続して資金が流出し続けている場合は、やはり投資対象から外したほうが良いでしょう。
私も過去に経験がありますが、資金の流出が止まらない場合や安定した運営が行われていない場合は、繰り上げ償還といって、ファンドの運営自体が終了してしまう事があります。
せっかく投信の積立をしていても、繰上償還をされてしまうと、強制的に現金化されしまいます。
(5)分配金を出さないファンドを選ぶ。
NISA口座などを除いて、特定口座などで投資信託の積立を行う場合は、分配金を排出されてしまうと、その度に約20%の税金を支払う事になります。
積立投資でこれから資産の形成をしていく場合は、分配金を排出せずに、そのファンド内で分配金を再投資してくれるファンドを選ぶようにしましょう。
他にも純資産がどれくらいか、実質的なコストはどれくらいか、含まれている銘柄を調べるなど、ファンドを選択する基準はいくつもありますが、あまり挙げ過ぎても迷うだけなので、まずは今回紹介した5つの基準を基に色々なファンドを見てみて下さい。
【投資信託の選び方 まとめ】
今回は投資信託を選ぶ基準について、5点紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?
基本的に投資対象を選ぶ場合は、個別の株式銘柄でも同じだと思いますが、まず条件を挙げて、いくつかに絞った上での、消去法になると思います。
その上で、自分の望むパフォーマンスを上げているかどうかですね。
迷うようであれば、もう少し時期をおいてから、再度検討してみても良いと思います。
上記の基準で選択したファンドを下記記事にて紹介していますので、よろしければご参考下さい。
次回は初心者向けの投資信託として紹介されるバランスファンドについて紹介する予定です。
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投資信託って何?インデックスファンドとアクティブファンドの違いは?
一般の方は、「投資信託って何ですか?」と聞かれても、投資の一種だろうけど、何だろうという方も多いと思います。
今回は、簡単な投資信託の特徴と、最近よく聞く「インデックスファンド」にどのような種類があるのかを初心者向けに解説したいと思います。
「証券口座はどこで開設する?」で証券口座を作るまでを説明しましたので、今回からしばらくは、「投資信託入門」のカテゴリーにて、投資信託に特化したお話をしていく予定です。
【目次】
- 【そもそも投資信託とは?】
- 【投資信託は少額から購入が可能】
- 【投資信託には、公募型と上場されたETFがある。】
- 【インデックスファンドとアクティブファンド】
- 【インデックスとアクティブのどちらを選べば良いの?】
- 【投資信託とは?まとめ】
【そもそも投資信託とは?】
投資信託とは、「投資の種類を知ろう!」でも少し説明しましたが、株式や債券などの有価証券を詰め合わせたパッケージ商品の事です。ファンドとも呼ばれますし、略して投信と呼ばれる事もあります。
株式や債券を個別に購入すると、投資した企業や国が破産して、場合によっては多大な損害をこうむる事もありますが、投資信託の場合は、多くの銘柄に少しずつ分散投資しているため、まったくのゼロになるという事はなく、損害を小さく抑える効果もあります。
所謂、「卵は一つの籠に盛るな」というやつですね。
【投資信託は少額から購入が可能】
株式などは、大抵は100株単位で売買されるため、購入する際にある程度まとまった資金が必要となりますが、投資信託の場合は、証券会社によっては、少額(100円)から購入する事ができます。
楽天証券では、ポイントで購入する事もできますし、投資経験の無い方でも、気軽に始める事ができますね。
初心者向きの投資とも言えますし、色々な投資法を試した上で、最後にたどり着く投資法とも言えます。
【投資信託には、公募型と上場されたETFがある。】
投資信託には、証券会社や直販で購入できる公募型の投資信託と証券取引所に上場されている上場型の投資信託(ETF)がありますが、一般的に投資信託といえば、公募型の投資信託の事を指す事が多いようです。
本記事では、公募型の投資信託について説明したいと思います。
【インデックスファンドとアクティブファンド】
さて、この公募型の投資信託ですが、大別するとインデックスファンドとアクティブファンドに分かれます。
順に説明していきましょう!
◆インデックスファンドとは?
インデックスファンドは、株価指数やREAT指数など、投資する対象の指数(ベンチマーク)に連動するよう設計されたファンド(投資信託)の事を言います。
例えば日本株に連動する指数としては、日経平均株価とTOPIXが有名ですね。
幾つか例を挙げてみましょう。
【日本株に連動するインデックス指数】
東証一部に上場されている銘柄の中から選抜された225銘柄を基に算出された指数。
〇TOPIX(東証株価指数)
東証一部に上場されている全銘柄を基に算出された指数。
TOPIXが東証一部の全銘柄を対象としているのに対し、日経平均は225銘柄のみを選抜した指数ですね。単位は日経平均が円であるのに対し、TOPIXはポイントで表示されます。
TOPIXから選抜した指数としては、他にも、TOPIX100やTOPIXコア30などがありますし、新興市場であるジャスダックやマザーズ市場を基にした指数もあります。
【米国株に連動するインデックス指数】
アメリカを代表する株価指数としては、以下のようなものがあります。
〇 NYダウ
〇 NASDAQ
〇 S&P500
アメリカを代表する株価指数としては、NYダウが有名ですね。ダウ平均株価などとも呼ばれ、アメリカを代表する30の優良銘柄を基に算出された指数です。
NASDAQは、ハイテク産業を中心とした印象が強いですね。S&P500は、アメリカの大型株を500銘柄選抜した指数となります。
「アメリカがくしゃみとすると、日本は風邪をひく」と言われるように、投資の現場でも米国の株価が下がると、日本の株価も下がる事が多いです。
私も寝る前と朝起きた時にNYダウやS&P500をチェックして、まず何が原因で上がったのか、あるいは下がったのかを調べますね。
私個人は、米国株に関してはS&P500に連動する投信とETFを所有しています。
【世界の株価指数(ベンチマーク)】
次に日本で投資を行う際に、よく利用する世界の株価指数を見てみましょう。
〇MSCIコクサイインデックス(除く日本)
MSCIコクサイインデックスは、日本を除く先進国22国の銘柄(約1300の銘柄)で構成された指数です。
時価総額の大きい順に組成されているので、先進国と言っても、実際には6割以上がアメリカの株式で構成されています。(次いで英国約7%、カナダ、フランス、ドイツが其々4%前後)
ですので、米国を中心にして、ヨーロッパやカナダなどにも分散して投資したいという方向けの指数という事になりますね。
私個人も、MSCIコクサイに連動する投信とETFを所有しています。
MSCIエマージング・マーケットインデックスは、新興国24か国の銘柄(約800銘柄)を対象とした株価指数です。
構成の比率としては、中国が約3割と一番大きいですね。次いで韓国が約15%、台湾約11%、インド約8%とアジア勢が6割以上となっています。
私もMSCIエマージング・マーケット指数に連動した投信とETFを持っていますが、やはり新興国は値動きが大きいです。
またアジア各国もそれぞれ米国との貿易などでつながりが強いですから、やはり米国の株価や金利が何らかの原因で下がると、少し遅れて下がる事も多いです。
新興国に投資する指数としては、他にFTSEエマージング・マーケッツがあり、こちらは韓国が構成国から外されています。(韓国は、すでに先進国だという考え)
〇MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI)
ACWIは、先進国、新興国含めて45か国の銘柄(約2500銘柄)から算出された、文字通り世界中の株式に連動した指数です。
ちょうど上記のMSCIコクサイとエマージングを合わせて、時価総額の大きい順に割合を決めたような感じでしょうか。
構成比率は、アメリカが群を抜いていて、やはり5割を超えています。次いで日本約8%、英国約6%、フランス・ドイツ・カナダが各々3%前後、そして中国は以外にも3%未満です。(日本除くの場合は、更にアメリカの比率が高まります)
投資の世界では、いかにアメリカが強大な国かを表していますね。
全世界の株式を対象とした指数としては、他にFTSE全世界指数(グローバル・オールキャップ・インデックス)があり、こちらは世界中の株式の時価総額の95%以上を含んでいます。
海外ETFで有名なVTのベンチマークとなっています。また日本でも「楽天バンガード世界株式」の名で投資信託として扱われています。
【株式以外の投資指数】
株式の投資指数については、それこそ各国で他にもさまざまな指数があります。すべてを紹介するのは無理ですので、本項では株式以外の指数について紹介してみましょう。
〇東証REAT指数
東証REAT指数は、東京証券取引所に上場されているJ-REAT(日本の上場不動産投資信託)59本の銘柄を基に算出されている指数です。
REATは、不動産の売却益や家賃収入から配当を行う投資信託です。
不動産の実物を所有するのは、多額な費用が必要となりますが、REATの場合は投信やETFを通じて、少額からでも投資する事ができます。
最近の東証REAT指数は、米国や日本の株式の値動きに囚われない動きをする事が比較的多いので、分散投資の一角としても有効だと思います。
私も東証REAT指数に連動した投信とETFを所有しています。
S&P 先進国REIT指数 は、日本を除く先進国25か国のREAT(200銘柄以上)を対象とした指数です。
私個人は、先進国REIT指数に連動した投信とETFを所有していますし、米国のみを対象とした米国REATのETFも所有しています。
〇NOMURA‐BPI総合
NOMURA‐BPI総合は、日本国内で発行されている公募型の債券を基に算出されている債券の指数です。
日本国債の比率が80%を超えていますから、ほぼ日本国債のベンチマークと言えるかもしれません。地方債まで含めると公債の割合は約9割です。
正直をいえば、今の日本国債の利回りを考えると、日本の公社債をわざわざ投信やETFで持つ意味があるのかとも思いますが、外国や日本の株式が大きく下落した際は、投資資産全体(ポートフォリオ)の下支えにはなります。
↓ポートフォリオに関しては、以下の記事をご参考下さい。
ただし、今後日銀が金融緩和政策をやめていくと、金利は上がっていくでしょうから、債券の価格は逆に下がっていくので注意が必要ですね。
〇シティ世界国債インデックス
シティ世界国債インデックスは、日本を除く世界22か国の国債を基に算出された指数です。
構成比率としては、やはりアメリカが一番多く約40%を占めています。次いでフランス、イタリア、英国、ドイツなどのヨーロッパの国債が約半数を占めていますから、米国を中心とした先進国の国債に分散投資した指数と言えるでしょう。
私個人は、シティ世界国債インデックスと連動した投信やETFも所有していますし、米国債を中心に米国の投資適格社債やハイイールド債のETFも所有しています。
米国債は日本国債と比べると金利の値動きも大きいですし、金利が上がると債券の価格は下がりますので、買い時を誤ると含み損が広がるので、投資対象としては結構難しいですね。
以上、日本で販売されている投資信託のベンチマークとして、よく使用されているもののみ紹介してみました。インデックスファンドとは、上記のような指数に連動したファンドの事を言います。
◆ アクティブファンドとは?
アクティブファンドとは、上記で紹介したインデックスファンドのリターンを上回る事を目的に各投資運営会社が組成したファンドの事を言います。
要するに、これから値上がりして儲かりそうな銘柄を選抜するとか、配当の高い銘柄を選定して、平均以上の利益を得る事を目的にしている投資信託の事です。
昨今で言えば、AI、IoT、EV、フィンテックなど流行のものを扱ったテーマ型と言われる投信もアクティブファンドです。
インデックスファンドを上回るリターンを得るためには、各企業を徹底的に調査分析し、その上で厳選した銘柄を的確な割合で調合しなければなりません。
そのため、アクティブファンドは、インデックスファンドと比べて、信託報酬という運営手数料が高く設定されています。
じゃあ、全てのアクティブファンドのリターンがインデックスファンドを上回っているかと言えば、ほとんどアクティブファンドは、インデックスに負けています。
ですので、アクティブファンドに投資する場合は、いかに良いアクティブファンドを見つけるかが重要になってきます。
【インデックスとアクティブのどちらを選べば良いの?】
これは、もう好みの問題でしょうね。
平均的なリターンしか求めないのであれば、インデックスファンドのほうが良いでしょうし、平均以上を求めるのならば、アクティブファンドに投資するのも良いと思います。
私の場合は、海外の株式や債券に関しては、基本的にはインデックスファンドに投資をしています。
また分散というのも、やはり程度の問題で、分散し過ぎると値動きが小さくなりますから、よりリターンを求めるのであれば、分散の度合いというのも考えなければいけません。
ちなみに私も、日本株式のアクティブファンドをいくつか所有していましたが、やはり下落時には、インデックスに負けてしまう事が多いですね。
いくつかのアクティブファンドを競わせて、成績の良い物は残しますし、インデックス以下のものは、利益が出た状態で売却して、その費用を残った投信の積立に使います。
【投資信託とは?まとめ】
今回は、投資信託について簡潔に紹介し、アクティブファンドとインデックスファンドの違いについても説明してみましたが、いかがでしたか?
やはり、今の時代は日本のみでなく、世界に分散して投資する時代だと思います。
今回紹介した指数を基にどういった割合で投資するのか、自分なりに考えてみると良いと思います。
次回は、投資信託を選ぶ際の基準について、お話する予定です。
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一般口座と特定口座、一般NISAと積立NISA、証券口座の種類を知って使い分けろ。
入門「投資」講座の第一回では、「投資の種類」を知り、第二回では、自分なりの「投資戦略」を考え、第三回では「投資の概要」を書籍を読んで勉強しました。
さぁ、いよいよ口座開設という前に、もう一つだけ待ってください。
証券口座には、一般口座と特定口座、一般NISAと積立NISAなど様々な種類があります。
今回は、証券口座の種類について、紹介したいと思います。
【目次】
【証券口座の種類を知ろう】
まず証券口座には、「一般口座」と「特定口座」があり、また特定口座にも(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)の口座があります。
証券口座を開設する際に、この中のいずれかの口座を選択する必要があります。
その上で譲渡益(売却益)や配当益が一定期間非課税になる「NISA口座」や「積立NISA口座」などの口座もあります。
少しややこしいですね(+_+)
できるだけ分かりやすいように頑張りますので、順に説明していきましょう。
【一般口座と特定口座の違い】
一般口座と特定口座の一番の相違点は、「年間取引報告書」を証券会社に作成してもらうかどうかという事になると思います。
年間取引報告書とは、年間の譲渡益や配当益などの損益を計算した書類の事で、主に確定申告の際に必要となります。
また確定申告をしない場合でも、年間の損益は把握しておいたほうが良いでしょうから、基本的には特定口座を選択し、年間報告書は作成してもらったほうが良いでしょう。
【特定口座の(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)の違い】
では次に、特定口座の(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)の違いについても考えてみましょう。
譲渡益や配当益には、原則約20%の税金(所得税15%、住民税5%)がかかります。
源泉徴収ありの口座を選択した場合は、譲渡益や配当益が発生した際に、証券会社が税金分を差し引いて、納税しますので、基本的には、確定申告をする必要がありません。
源泉徴収なしの口座の場合は、20万円以上の収益が出た場合は、自分で確定申告をする必要があります。
ですので、確定申告をしたくないという方は、源泉徴収ありの口座を選べば良いですし、年間で20万円以上の収益が出ない(確定申告をする必要がない)場合や、二つ以上の証券口座をお持ちの場合で、通算して確定申告をしたい場合は、源泉徴収なしの口座を選べば良いでしょう。
要は、確定申告の必要があるのか、ないのか、また収益が20万以上になるかどうかで選択します。
通常は、特定口座で源泉徴収ありを選択する方が多いようですね。私も最初は源泉徴収ありの口座を選択しました。
【NISA口座の種類を知ろう】
一般口座か特定口座を開設した上で、2019年時点では、NISA口座や積立NISAといった収益が非課税になる口座もあります。
【一般NISAと積立NISAの違い】
一般NISAと積立NISAの違いについても簡単に説明しましょう。
この2つは混同される事も多いのですが、比較すべき要点は、以下の3点です。
(1)投資金額の上限
(2)投資対象
(3)非課税期間
順に比較してみましょう。
(1)投資金額の上限
NISA口座 年間120万円まで
積立NISA 年間40万円まで
これは、NISA口座のほうが、3倍と圧倒的に多いですね。
(2)投資対象
積立NISA 金融庁の認可した積立NISA対象の投資信託とETFへの積立のみ
こちらもNISA口座のほうが、幅広い投資対象に投資が可能ですし、NISA口座の場合は、積立以外にも常時購入が可能です。
(3)非課税期間
NISA口座 2023年まで、毎年5年間
積立NISA 2037年まで、最長20年間
非課税期間については、圧倒的に積立NISAのほうが長いです。
NISA口座の場合は、年間120万円までの投資した金融商品の売却益や配当益が、2023年まで、投資した年を含めて5年間非課税となります。
つまり、2018年にNISA口座で投資した金融商品の非課税期間は、2022年までとなります。
翌年の2019年に投資した金融商品の非課税期間は、2023年までです。
つまり、一年ごとに5年間の非課税期間があるという事ですね。これが2023年まで続きます。
積立NISAの場合は、2037年まで毎年20年間の非課税期間が続くという事になります。
2018年に投資した場合は、2037年までが非課税ですね。2019年に投資した分は、2038年までです。まさに長期投資ですね。
【NISA口座と積立NISAのどちらを選択するべきか】
さて、大変お得なNISA口座ですが、一般のNISA口座と積立のNISA口座のどちらを選択するべきでしょうか?
上述したように、年間の投資可能額はNISAのほうが大きいですし、投資対象もNISA口座のほうが、幅広く選択できます。
じゃあNISA口座にしようと思うと、非課税期間は、圧倒的に積立NISAのほうが長い訳です。
う~ん、悩みますよね…。
一つの決断としては、自分は「積立しかしない。」と決まっている方は、積立NISAを選択すれば良いと思います。
私の場合は、当初はNISA口座しかありませんでしたし、現在もNISA口座を利用しています。
どうしても決まらないという方に、私が個人的にアドバイスするとすれば、私はNISA口座のほうをおすすめしますね。
理由は、NISA口座は非課税期間が短いので、この期間に株式やETFなど様々な投資を試してみると良いと思います。
1~2年、NISA口座で色々な投資を経験した上で、「うん。私はあまり投資には向いていないようだ。これからは積立だけにしよう。」と納得してから、積立NISAを始めても、積立NISAは非課税期間が長いですから、遅くはないように思います。
【NISA口座と特定口座を掛け持ちする】
あるいは、一般NISAで色々な投資を試しながら、特定口座で投資信託の積立を行うという手もあります。
特定口座での投信の積立も、分配金を再投資するファンドを選べば、利益が確定するまでは、非課税ですからね。
実際、NISA口座の場合は、長期投資というよりも、期間限定といった印象が私には強いですね。
【NISA口座の注意点】
NISA口座のデメリットというものも、いくつかありますが、私が一番気を付けたいと思っているのは、非課税期間の終了時にどうするかという事です。
選択肢は、以下の3つだと思います。
(1)非課税期間内に売却する。
(2)課税口座(一般口座や特定口座)に移管する。
(3)翌年のNISA口座に移管する(ロールオーバー)
※ (3)は、NISA口座のみです。積立NISAにはありません。
NISA口座にしろ、積立NISAにしろ、非課税期間が決まっていますから、NISAの制度を利用して投資を行う以上は、必ず出口の事も頭に入れておかなければなりません。
とはいえ、非課税期間の終了までに、どのような経済状況になっているかは、誰にも分かりませんから、今回は、課税口座に移管した場合の注意点のみ説明したいと思います。
NISA口座の非課税期間が終了した際に、課税口座(特定口座など)に移管する場合、一番注意したい点は、NISA口座内でこれまで購入してきた取得単価ではなく、その時点の時価で移管されるという事です。
これは、すなわち税金の問題となります。
例えば、年間で40万円分の金融商品を購入し、NISAなり積立NISAの非課税期間が終了したとします。
40万円で購入したものが、50万円に値上がりしている場合もあるでしょうし、30万円に値下がりしている場合もあるでしょう。
課税口座に移管される取得単価は、この値上がりしていたり、値下がりしていたりする価格という事になります。
特に注意したいのが値下がりしていた場合です。
仮に40万円で購入した物を30万円で課税口座に移管したとしましょう。
その後、その商品が値上がりして40万円になり、売却したとします。
自分的には、40万円で購入したものを40万円で売却した訳ですから、儲けは無い訳です。
ところが、制度上は移管された時点での価格が取得単価となる訳ですから、30万円からですと、10万円の利益が出ているという事になります。
そして、この10万円に約20%の税金がかかってきますから、税金分の約2万円を引かれて、結果としては元本割れという事になってしまいます。
対処法としては、税金分で差し引かれる分を越えて値上がりしてから売却するという方法もありますが、売却益が大きくなればなるほど、税金の額も上がっていきますから、注意が必要です。
【証券口座の「種類」を知ろう。のまとめ】
今回は、証券口座の種類について説明してみましたが、いかがでしたか?
証券口座は、いくつも種類があるので、今回は少し難しかったかもしれませんね。
今後も気付いた事があれば、リライトしていくつもりですので、良かったら定期的にこのページを確認してみて下さい。
ちなみに私の戦略としては、やはりNISA口座については、期間限定という事で、今後も期限内に色々な投資法を試してみたいと思っています。
実際、現在はNISA口座内で、投信の積立、株式の買付、ETFの買付をしています。
NISA口座の非課税期間が終了したら、投信の積立は積立NISAで改めて始めるでしょうし、株式やETFの買付は特定口座でやっているでしょうね。
その間に、銘柄に関しても、色々な銘柄を試してみたいと思います。その中で、生涯にわたって付き合っていく銘柄を決めたいとも思っていますね。
それまでにNISA口座で投資した商品に関しては、非課税期間の終了前に売却するか、特定口座に移管するかは、やはりその年の後半の状況次第でしょう。
「NISA口座」と「積立NISA」の違いについて、更に詳しく知りたい方は、以下の書籍がおすすめです。
税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門
- 作者: 竹川美奈子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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次回は、口座の申し込み前に知っておきたいポイントについて紹介してみたいと思います。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。