一般口座と特定口座、一般NISAと積立NISA、証券口座の種類を知って使い分けろ。
入門「投資」講座の第一回では、「投資の種類」を知り、第二回では、自分なりの「投資戦略」を考え、第三回では「投資の概要」を書籍を読んで勉強しました。
さぁ、いよいよ口座開設という前に、もう一つだけ待ってください。
証券口座には、一般口座と特定口座、一般NISAと積立NISAなど様々な種類があります。
今回は、証券口座の種類について、紹介したいと思います。
【目次】
【証券口座の種類を知ろう】
まず証券口座には、「一般口座」と「特定口座」があり、また特定口座にも(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)の口座があります。
証券口座を開設する際に、この中のいずれかの口座を選択する必要があります。
その上で譲渡益(売却益)や配当益が一定期間非課税になる「NISA口座」や「積立NISA口座」などの口座もあります。
少しややこしいですね(+_+)
できるだけ分かりやすいように頑張りますので、順に説明していきましょう。
【一般口座と特定口座の違い】
一般口座と特定口座の一番の相違点は、「年間取引報告書」を証券会社に作成してもらうかどうかという事になると思います。
年間取引報告書とは、年間の譲渡益や配当益などの損益を計算した書類の事で、主に確定申告の際に必要となります。
また確定申告をしない場合でも、年間の損益は把握しておいたほうが良いでしょうから、基本的には特定口座を選択し、年間報告書は作成してもらったほうが良いでしょう。
【特定口座の(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)の違い】
では次に、特定口座の(源泉徴収あり)と(源泉徴収なし)の違いについても考えてみましょう。
譲渡益や配当益には、原則約20%の税金(所得税15%、住民税5%)がかかります。
源泉徴収ありの口座を選択した場合は、譲渡益や配当益が発生した際に、証券会社が税金分を差し引いて、納税しますので、基本的には、確定申告をする必要がありません。
源泉徴収なしの口座の場合は、20万円以上の収益が出た場合は、自分で確定申告をする必要があります。
ですので、確定申告をしたくないという方は、源泉徴収ありの口座を選べば良いですし、年間で20万円以上の収益が出ない(確定申告をする必要がない)場合や、二つ以上の証券口座をお持ちの場合で、通算して確定申告をしたい場合は、源泉徴収なしの口座を選べば良いでしょう。
要は、確定申告の必要があるのか、ないのか、また収益が20万以上になるかどうかで選択します。
通常は、特定口座で源泉徴収ありを選択する方が多いようですね。私も最初は源泉徴収ありの口座を選択しました。
【NISA口座の種類を知ろう】
一般口座か特定口座を開設した上で、2019年時点では、NISA口座や積立NISAといった収益が非課税になる口座もあります。
【一般NISAと積立NISAの違い】
一般NISAと積立NISAの違いについても簡単に説明しましょう。
この2つは混同される事も多いのですが、比較すべき要点は、以下の3点です。
(1)投資金額の上限
(2)投資対象
(3)非課税期間
順に比較してみましょう。
(1)投資金額の上限
NISA口座 年間120万円まで
積立NISA 年間40万円まで
これは、NISA口座のほうが、3倍と圧倒的に多いですね。
(2)投資対象
積立NISA 金融庁の認可した積立NISA対象の投資信託とETFへの積立のみ
こちらもNISA口座のほうが、幅広い投資対象に投資が可能ですし、NISA口座の場合は、積立以外にも常時購入が可能です。
(3)非課税期間
NISA口座 2023年まで、毎年5年間
積立NISA 2037年まで、最長20年間
非課税期間については、圧倒的に積立NISAのほうが長いです。
NISA口座の場合は、年間120万円までの投資した金融商品の売却益や配当益が、2023年まで、投資した年を含めて5年間非課税となります。
つまり、2018年にNISA口座で投資した金融商品の非課税期間は、2022年までとなります。
翌年の2019年に投資した金融商品の非課税期間は、2023年までです。
つまり、一年ごとに5年間の非課税期間があるという事ですね。これが2023年まで続きます。
積立NISAの場合は、2037年まで毎年20年間の非課税期間が続くという事になります。
2018年に投資した場合は、2037年までが非課税ですね。2019年に投資した分は、2038年までです。まさに長期投資ですね。
【NISA口座と積立NISAのどちらを選択するべきか】
さて、大変お得なNISA口座ですが、一般のNISA口座と積立のNISA口座のどちらを選択するべきでしょうか?
上述したように、年間の投資可能額はNISAのほうが大きいですし、投資対象もNISA口座のほうが、幅広く選択できます。
じゃあNISA口座にしようと思うと、非課税期間は、圧倒的に積立NISAのほうが長い訳です。
う~ん、悩みますよね…。
一つの決断としては、自分は「積立しかしない。」と決まっている方は、積立NISAを選択すれば良いと思います。
私の場合は、当初はNISA口座しかありませんでしたし、現在もNISA口座を利用しています。
どうしても決まらないという方に、私が個人的にアドバイスするとすれば、私はNISA口座のほうをおすすめしますね。
理由は、NISA口座は非課税期間が短いので、この期間に株式やETFなど様々な投資を試してみると良いと思います。
1~2年、NISA口座で色々な投資を経験した上で、「うん。私はあまり投資には向いていないようだ。これからは積立だけにしよう。」と納得してから、積立NISAを始めても、積立NISAは非課税期間が長いですから、遅くはないように思います。
【NISA口座と特定口座を掛け持ちする】
あるいは、一般NISAで色々な投資を試しながら、特定口座で投資信託の積立を行うという手もあります。
特定口座での投信の積立も、分配金を再投資するファンドを選べば、利益が確定するまでは、非課税ですからね。
実際、NISA口座の場合は、長期投資というよりも、期間限定といった印象が私には強いですね。
【NISA口座の注意点】
NISA口座のデメリットというものも、いくつかありますが、私が一番気を付けたいと思っているのは、非課税期間の終了時にどうするかという事です。
選択肢は、以下の3つだと思います。
(1)非課税期間内に売却する。
(2)課税口座(一般口座や特定口座)に移管する。
(3)翌年のNISA口座に移管する(ロールオーバー)
※ (3)は、NISA口座のみです。積立NISAにはありません。
NISA口座にしろ、積立NISAにしろ、非課税期間が決まっていますから、NISAの制度を利用して投資を行う以上は、必ず出口の事も頭に入れておかなければなりません。
とはいえ、非課税期間の終了までに、どのような経済状況になっているかは、誰にも分かりませんから、今回は、課税口座に移管した場合の注意点のみ説明したいと思います。
NISA口座の非課税期間が終了した際に、課税口座(特定口座など)に移管する場合、一番注意したい点は、NISA口座内でこれまで購入してきた取得単価ではなく、その時点の時価で移管されるという事です。
これは、すなわち税金の問題となります。
例えば、年間で40万円分の金融商品を購入し、NISAなり積立NISAの非課税期間が終了したとします。
40万円で購入したものが、50万円に値上がりしている場合もあるでしょうし、30万円に値下がりしている場合もあるでしょう。
課税口座に移管される取得単価は、この値上がりしていたり、値下がりしていたりする価格という事になります。
特に注意したいのが値下がりしていた場合です。
仮に40万円で購入した物を30万円で課税口座に移管したとしましょう。
その後、その商品が値上がりして40万円になり、売却したとします。
自分的には、40万円で購入したものを40万円で売却した訳ですから、儲けは無い訳です。
ところが、制度上は移管された時点での価格が取得単価となる訳ですから、30万円からですと、10万円の利益が出ているという事になります。
そして、この10万円に約20%の税金がかかってきますから、税金分の約2万円を引かれて、結果としては元本割れという事になってしまいます。
対処法としては、税金分で差し引かれる分を越えて値上がりしてから売却するという方法もありますが、売却益が大きくなればなるほど、税金の額も上がっていきますから、注意が必要です。
【証券口座の「種類」を知ろう。のまとめ】
今回は、証券口座の種類について説明してみましたが、いかがでしたか?
証券口座は、いくつも種類があるので、今回は少し難しかったかもしれませんね。
今後も気付いた事があれば、リライトしていくつもりですので、良かったら定期的にこのページを確認してみて下さい。
ちなみに私の戦略としては、やはりNISA口座については、期間限定という事で、今後も期限内に色々な投資法を試してみたいと思っています。
実際、現在はNISA口座内で、投信の積立、株式の買付、ETFの買付をしています。
NISA口座の非課税期間が終了したら、投信の積立は積立NISAで改めて始めるでしょうし、株式やETFの買付は特定口座でやっているでしょうね。
その間に、銘柄に関しても、色々な銘柄を試してみたいと思います。その中で、生涯にわたって付き合っていく銘柄を決めたいとも思っていますね。
それまでにNISA口座で投資した商品に関しては、非課税期間の終了前に売却するか、特定口座に移管するかは、やはりその年の後半の状況次第でしょう。
「NISA口座」と「積立NISA」の違いについて、更に詳しく知りたい方は、以下の書籍がおすすめです。
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次回は、口座の申し込み前に知っておきたいポイントについて紹介してみたいと思います。
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。